郵便局で年賀状を買った帰り、空を見上げると糸のような雲がありました。他の雲とは高度が違うようで、その雲だけは風に吹かれて速く飛んでいました。ちょうど、空を水面にたとえると、たらした白い絵の具が水の流れに溶け出して糸を引くように。
家に帰ってベランダに出てみたら、その細い雲の流れは、まだ夕焼けの中からつーっと流れ出ていました。まるでエイリアンの舌です。
空気の層がいくつも重なって、それぞれに違った動きをしているせいでしょうが、そうした理屈を教えられていなかった昔の人は、こういう現象を見て何を思ったのでしょうね。
ふと「天変地異の前触れでは」と思った私も、昔の人と大差ありません。文明が進歩しても、人間は進歩して生まれているわけではないようです。
横浜・山手の丘のさるところでひっそりと余生を送っている赤レンガです。初めて出会ったのは今年の春先でした。以来、近くを歩くたびにどうしているか気にしていたのですが、夏ぐらいだったか、姿が見えなくなりました。近くで何かの工事のために土を掘り返したような跡があり、埋もれてしまったか、どこかへ取り片付けられてしまったか心配していたところ、先日、ほぼ元の所で再会しました。見落としていたはずはないので、どうして行方をくらまし、再び姿を現したのか、不思議です。
こんなレンガに執心している理由は、まん中あたりに写っている刻印にあります。春先に撮った次の写真の方がわかりやすいかもしれませんね。ちょっと色合いが違いますが。

歯車のようなマークがわかりますでしょうか。その右にも「いろは」の「い」のような印があるみたいです。あ、そこのところが上の写真では壊れていますね。やはり、この半年間に何かがあったのでしょう。
これらのマークは、明治21年(1888)に開業した「横浜煉化製造会社」の刻印によく似ています。また、レンガの表面に細い横線が走っていますが、これは手作業で型枠に入れて作った跡なのだそうです。刻印のあるレンガは明治期に多いようで、そんなことから、このレンガは関東大震災、太平洋戦争を生き残ってきたレンガの可能性が高いのではないかと思っています。もしかすると100歳以上です。
だからどうなんだと言われるとそれまでなのですが、私には、こうした道端や街角にころがっている古いものが失われていくのが、どうにも寂しいのです。実を言うと、カメラをいじり始めたのは、そういうものを記録に残しておきたいという気持ちからです。
ぱっとしない写真ばかりで済みません。
ぱっとしないついでに、このレンガの近くをうろついていたぱっとしない二匹です。いかにも悪そうな顔つきをした奴らで、互いに大きな声で相手を威嚇し合っていたのですが、カメラを向けたら、ご覧のような談合を始めました。まるで街道筋にたむろする雲助です。左のブチは一度見たら忘れられない顔をしています。
年末で横浜・山下公園通りで「横浜光のプロムナード」が始まったと聞き及んで、久しぶりにカメラを持って外へ出ました。が、「プロムナード」自体はごくごく控え目なもので、むしろこの夜の主役は冴え冴えと光るお月さまでした。調べたら、月齢はそれでも12日とか。冬の月もなかなか良いものです。
前の写真より時間的に少しさかのぼりますが、大桟橋から。
どちらも手持ち撮影です。
月齢は次のサイトで調べました。http://www.moonsystem.to/
Author:うしじろう (Ushijiro)
私、色弱です。色に関しては、まったく自信がありません。絵心もないので、ひとさまにお見せするような写真を撮れるはずがないのですが、デジカメの面白さにハマってしまいました。いろいろご批評いただけるとうれしいです。